アメリカでも、オンラインを主とする日本の通信制大学のような大学が多くあるようだ。
連邦教育省の NCES(教育統計センター)による 2019 年度の統計では,連邦教育省 長官の認 可を受けた全米 3,947 大学のうち在学生の 90%以上が専らオンライン授業を受講している大学 は 98 大学が該当し,その半数以上に当たる 53 校が営利大学であった。
なかでも営利大学に在籍している学生は多くいる。学生募集においてターゲットとしているのはもっぱら低所得者、アフリカ系米国人退役軍人、ひとり親等の社会的に弱い立場にある人である。不適切経営や公立大学や私立大学に比べて教育の質が悪いところなどが問題になっている。
あるサイトでは、通信制大学で取得できる学位について、就職に役立つ可能性がある学位40を紹介していた。
抜粋すると、medical assistant associate degree(医療助手準学士)
在宅医療(介護)助手として働くことができる。医療に対する需要が高まるため。
Financial Planning や Wealth Management(資産運用) の学士は、フィナンシャルアドバイザーになるために役立つという。
通信制大学と就職について
アメリカのラスムーセン大学は、通学で学位を取得した場合と比較して通信制大学を卒業したことで雇用主にアピールできるポイントを5つ紹介している。
1.自己管理ができる
締め切りを守ったり、学習時間を確保したり教授とのコミュニケーションを取る必要がある為。卒業時にはこれらの自己管理ができている。
2.スケジュールの管理方法を知っている
通信制大学では読解力や毎日一定の学習時間を確保する必要がある。時間管理スキル、理解力、自発的な考え方が身についている。
3.人生経験の多さの強み
通学で学ぶ生徒よりも通信制大学の生徒は様々な背景がある傾向にある。
4.自己改善をしている
通信制大学の学生の良い特徴は自己改善をしていて、意欲的であるというところだ。
5.デジタルツールを使いこなすことができる
通信制大学は、オンラインで完結することが多い。学生と教授がコミュニケーションを取るにはデジタルツールを使うことができるという前提がある。技術革新の激しい時代において、新しいソフトウェアを使いこなす能力は組織にとって大きなメリットになる。
反対に、通信制大学の生徒が雇用主の不安を払拭するために強調するべきこと次に挙げている。
1.大勢の人前話すことができる能力
教授間とのやり取りは文章を通じて行われる。そのためライティングや読解力のスキルは向上する。一方で口頭でのコミュニケーションや、大勢の人前話すことができる能力
が向上されるとは限らない。完璧である必要はないが、洗練された話し方をすることで雇用主が抱く不安をやわらげることができるかもしれない。
2.協調性
多くのオンラインの講座では、ほかの学生と共同作業が必要だが、採用担当者が理解しているとは限らない。コミュニケーション、チームワーク、リーダーシップなど対人関係のスキルを身に付けそれを証明する方法を探すべきである。
まとめ
営利目的の大学など、アメリカと日本の大学の違いはありますが、通信制大学を卒業したことのアピールポイントは共通することあります。就職の際のアピールポイントは参考にできそうです。
出典
文部科学省
「諸外国における通信制大学等の制度・実態に関する調査研究」:文部科学省 (mext.go.jp)
40 Online Degrees Most Likely to Get You a Job in 2021 (onlineschoolscenter.com)
Can You Get a Job with an Online Degree? Experts Weigh In | Rasmussen University